みんなでつくる国
5月18日(土)はオーストラリア連邦政府の衆議院&参議院選挙でした。
投票前の世論調査を覆して、
スコット・モリソン現首相率いるリベラル-ナチョナル連立政権維持となりました。
選挙の結果はさておき、
オーストラリアに住む日本人として、
このオーストラリアの選挙を見ていて
日本のみなさんにお伝えしたいなと思ったことがあるので、
この記事を書いています。
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オーストラリアに暮らして25年。
私は永住権は持っていますが、市民権は取得していないので、投票権はありません。
(永住者と市民の唯一の違い=選挙権です)
早くオーストラリア市民になりたいと思っていますが、
日本は二重国籍を認めていない国なので、
オーストラリアの市民権を取得する=日本国籍を放棄する
それとも
日本国籍を維持する=オーストラリアの市民権は取得しない
という二者択一を迫られるわけです。
二重国籍OKな国出身だったら
気軽に市民権取得できちゃうんですけどね。
夫の出身国デンマークは、二重国籍解禁になったので、
一昨年、オーストラリアの市民権を取得しました。
そして、18歳になった娘たちにも選挙権が与えられるようになったので、
今回から、我が家の投票率は0パーセントから75%に劇的アップしました!
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オーストラリアでは「投票は国民の義務」です。
選挙権がある=投票しなければならない。
※投票しないと罰金を科されます。
投票率はいつもほぼ100%
だから、自分なりに考えて、なんらかの結論を出さないといけない。
「政治に無関心」なんて言っていられないのです。
この投票義務のためか、日常的にふつうに政治の話をします。
家族でも友だち同士でも、政治的な懸案事項について話し合います。
支持政党の話もあるけど、
単に○○支持というだけじゃなくて、その理由や論点なんかを意見できる人がほとんど。
そして、ふだんから経済、移民、福祉、教育、環境問題などなど、
さまざまな社会問題について話し合うことが多い気がします。
政治というのは、自分がいる環境、立場によって「正解」が変わります。
ある政策を実行すれば、得する人と損する(少なくとも表面的には損したように思える)人がいます。
だから、意見が違うのは当たり前のことなんです。
損得関係の有無にかかわらず、
こっちから見ると、これがいいんじゃないか?とか、
そうしちゃうと、こういう問題が出てきちゃうんじゃないか?とか、
それはやっぱりアンフェアなんじゃないか?とか。
そんなふうに、いろんな立場、視点から社会問題を考えるって、
とても大切なことだと思います。
そして小さい頃から、スピーチやディベートの練習をしてきているオーストラリア人は、
(幼稚園から一人一人みんなの前に出てスピーチする時間をとっています)
自分の意見を言える人が多いし、
また他の意見を聞く態度も、身についているように感じます。
日本では、「政治の話はしてはいけない」とか
「誰に投票したか他人に言わないほうがいい」とか
社会問題について公に話し合うことすら敬遠されるような雰囲気があったりします。
(今は、もう そうでもないのかな?)
また、
「どうせ自分が投票したって何も変わらないよ」とか
「難しいことはよくわからないから」とか
「私には関係ないし」とか
無関心になっている人たちも、けっこういるようです。
自分の生活、住んでいる社会のことなのに・・・ね。
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投票日の夜、開票速報。
オーストラリアの政治家たちのスピーチを聞いていて感動しました。
負けても、勝っても、根本に流れる精神はみんな同じ。
「オーストラリア人の選択だった」 というリスペクト。
「考え方の違いこそあれ、誰もがよりよいオーストラリアを目指しているのだ」 ということ。
そんなメッセージがジンジン伝わってきました。
もちろん、スピーチがうまいってこともあるけど(笑)
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「あなたの一票が国を動かしていることに誇りを持とう!」
「あなたの理想をあきらめるな!」
「みんなでつくっているんだよ、この国は!」
そんなメッセージを、令和元年、日本のみなさんに、
そのまんま伝えたくなりました。
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